ここに書く事が無いんだけど、それは大丈夫なんですかね?

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ブーレーズのベト5

ブーレーズは日本人のメディア関係者に
「Boulezを日本語で表現する際はどう書いて欲しいですか?
赫々然々な表現がありますが」と聞かれて、
「最初の伸ばし棒を短くすればいい」と答えたそうな。
という事は、ブ-レーズ?ブゥレーズ?

ベートーヴェン:交響曲 第5番 ハ短調 op.67
ピエール・ブーレーズ
ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
Rec:1968年12月
Sony SRCR2510
boulezbeet5.jpg
有名な指揮者になると「(指揮者名) conducts (作曲家名)」と、レコードやCDのジャケットに大書される事があります。誰々が指揮した何とかの曲、ごく普通のタイトルです。
これは、ブーレーズも同じで、昔のブーレーズのレコードのジャケットを見ると「Boulez conducts (作曲家名)」なんて、書いてありますね。
ところが、このブーレーズの指揮というのがクセモノで、大抵は既存の録音とは毛色の全く違うセンセーショナルな演奏だったりして、リリースの度に話題をかっさらっていくもんだから「Boulez conducts」は、普通のタイトルとは違う特別なもののように扱われていた。・・・らしいです。
まあ、僕はブーレーズがフランス楽壇にケンカを売ったのを目撃した世代ではないので、伝聞でしかないわけですが、当時の音楽ファンが「Boulez conducts」と題される録音に持っていた期待みたいなものが伺える話だと思います。

さて、今回のベートーヴェンはそんな「Boulez conducts」なタイトルの録音のひとつです。リリース当時、「ベートーヴェンが見落としていた運命の第3楽章の反復を復元!」とか「フルトヴェングラーより遅い最長の演奏!」とか言われていたそうです。
聴いてみると、最長の演奏の名の通り遅めのテンポのベト5ですが、何より面白いのが有名な「ダダダダーン」をことさらに聴こえやすくしている事です。皆さんもご存知なように、この曲はこれの繰り返しで成り立っております。
ブーレーズはこの曲を遅めに、曲のテクスチャを解明するように演奏することで、あらゆる場面に隠されている「運命」をひとつずつ白日の下に晒していくのです。苦悩から歓喜に至る全ての場面に陰に陽に仕込まれていて、さながら人生は良い事も悪い事も運命によって定められていると言わんばかりに。
一、三楽章の反復再現は、今となってはピリオド・アプローチの録音で時たま見かけますが、その論拠となるクラウス・カニジウス(ブーレーズの弟子の一人)の論文は1966年に発表されたものなので、ブーレーズは世界に先駆けて形にしたと言えるでしょう。
演奏としてはオーケストラの見通しも良く、埋もれがちな音もちゃんと聴こえてきますが、4楽章などでちょっとオケが走り気味なのが個人的に気になりました。慣れないスローテンポに戸惑っているのかも知れませんが、この辺りもしっかり統率されていれば、もっと良くなったと思います。
広くオススメできるタイプの録音ではありません。しかし、この曲の新たな一面を見たいという方は聴いてみると良いでしょう。
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